住宅を売却するだけならば、最初購入した価格よりも売却価格が値下がりしていれば損になりけれど、買い換えすることを前提にすれば必ずしもそうは言えません。値下がりしているということは、市況の価格全体が下がっていると考えられるので、買い換え先をそれだけ安く購入できるということになります。
仮に4000万円の住宅を頭金800万円、借入金3200万円で購入したとする。毎月返済額は年利6.0%、30年返済として計算すると19万1840円となります。5年後にこの住宅を売却したとすると、ローンの残債はおよそ200万円減っていて3000万円。売却価格からこの残債を引いた金類が手元に残ることになります(※諸経費は簡単にするために無視します)。
以上を前提条件にして「値上がりしたとき」と「値下がりしたとき」のケースを見てみましょう。

●値上がりしたとき
4000万円で買った住宅が5年後に1000万円値上がりして5000万円で売却できたとしましょう。ここからローンの残債を引くと2000万円。これに5年間でためた自己資金が500万円あったとすると、頭金として用意できるのは2500万円です。
買い換え物件のほうは売却した物件よりも1.5倍広いものとして、購入価格も売却価格の1.5倍とします。すると購入価格は7500万円。借入金は5000万円となり、毎月返済額を計算すると29万9975円(借入条件は最初の購入時と同じ)。
●値下がりしたとき
購入したときよりも仮に1000万円値下がりして、3000万円でしか売れなかったとしましょう。ローンの残債を引くと何も残りません。5年間でためた500万円だけ。これを頭金にして売却価格より1.5倍広くて高い物件に買い換えたときの価格は4500万円(売却物件と同じ値下がり率で計算)。借入金は4000万円となり、毎月返済顛は23万9800円です。
以上の例から分かるように、値下がりしたほうが次の負担は軽くなります。
ただ現実の住宅価格は一律に値上がりしたり値下がりしたりはしません。ある物件は大幅に値上がりしたが、ある物件は横ばいというケースがたびたびあります。
けれども物件ごとにバラツキがあるということは、自宅を高く売って割安な物件に買い換えることができるチャンスがあるということ。当然この逆もあり得るので、購入と売却に際しては市況の動きをにらみながらタイミングを計って行うことが大切です。